ビタミンE
ビタミンE【概要】
ビタミンEは抗酸化作用の代名詞とも言えるビタミンで、「若返りのビタミン」と呼ばれることもあります。
ビタミンEはもう少し細かく分類するとトコフェロールとトコトリエノールという種類に分かれます。
トコフェロールにはそれぞれα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールの4種類があり、この内効果の最もあるのは、α-トコフェロールと言われています。
もう一方のビタミンEであるトコトリエノールにはもα-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノールの4種類があります。
最近の研究ではトコトリエノールはトコフェロールを上回る抗酸化能力を持つと言われ、スーパービタミンEとも呼ばれています。
ビタミンEの効能・効果
人体の中でもっとも酸化の危険にさらされているのが、生体膜や細胞の不飽和脂肪酸です。
これらが酸化し、過酸化脂質が増えると、体の機能が低下し、老化現象が起きたり、異常細胞を作って病気を引き起こしたりという原因になります。
ビタミンEにはこういった酸化による体へのダメージを防ぐ抗酸化作用があり、様々な症状を予防する効果・効能があります。
特に血中の過酸化脂質の量は40歳を過ぎると急に増加するので、40歳以上の人はしっかりビタミンEを摂取するようおすすめします。
また、ビタミンEには血管を健康に保つという働きもあります。
血中のコレステロールが酸化し、変性したものが血管の壁にはりつき、血液の流れがスムーズでなくなるのが動脈硬化です。
ビタミンEはその抗酸化作用で血管の健康を保ち、血液をサラサラにして血管内を流れやすくします。
さらにビタミンEは悪玉コレステロールを運び出して血管の中を掃除したり、善玉コレステロールを増やす働きももっているのです。
ビタミンEは女性には力強い味方のビタミンと言われれることもあります。
ビタミンEは女性ホルモンと男性ホルモンなどのステロイドホルモンの代謝に大きく関わるため、不妊治療に排卵誘発剤と併用すると、妊娠率が上がるなどの報告もあるほどです。
これは、胎盤の中に特別タンパク質ができることで妊娠するのですが、ビタミンEがこのタンパク質の生成を促進しているからだと考えられています。
また女性の更年期には体内のビタミンEの濃度がダウンするため、この時期に摂取しておくと更年期障害が楽になるとされます。
男性もビタミンEの投与により、精子の数の増加などに効能があるといわれています。
さらに最近では、ビタミンEを大量に投与することでアルツハイマーの進行を抑えるという研究結果も発表されています。
加えてビタミンEには末梢の毛細血管の流れをスムーズにすることや、新陳代謝を活発にさせることも効果・効能として挙げられます。
ビタミンEは冷え性や肩こりの人、また肌のトラブルに悩んでいる人にオススメの美肌&アンチエイジング栄養素で、最近ではビタミンE入りの化粧品も多く出回っています。
ビタミンEの摂取方法
ビタミンEはサフラワー油やコーン油などの油類やナッツ類に多く含まれていますが、酸化しやすく、熱にも弱いので調理した料理からは十分に摂取できない可能性があります。
もしビタミンEを多く摂取したい場合はサプリメントなどを検討してもよいかもしれません。
尚、ビタミンEのサプリメントには天然型(d-α-トコフェロール酢酸エステル)と天然(d-α-トコフェロール表示)に分類され、体内への効能や吸収は天然が優れているとされます。
ビタミンEの過剰摂取・副作用
ビタミンEには過剰摂取による弊害や副作用は報告されていません。ただし、サプリメントなどによる過剰摂取に関してはその限りではありませんので、使用条件を必ず守ってください。
ビタミンEの効果・効能があると思われるもの
ビタミンEには以下のような効果・効能が期待できます。
■ビタミンEが含まれる食品例
ビタミンEが含まれる食品には以下のようなものがあります。